破裂すると命があぶない!足音もなく忍び寄る動脈瘤とは

破裂すると命があぶない!足音もなく忍び寄る動脈瘤とは

高血圧や高脂血症、糖尿病、喫煙などがきっかけとなり、血管の老化現象ともいえる動脈硬化が起こるといわれている。
その動脈硬化が原因となって引き起こされる怖い病気に動脈瘤(どうみゃくりゅう)がある。 この病気の恐ろしいのは、ほとんどの場合症状がなく進行し、発症(血管が破裂)すると体内に大出血を起こし、突如生命が危機的状態におちいることだ。
全死因の中の1.1%(平成18年)にあたるこの病気になる可能性は、誰にでもある。この病気にならないための対策、なってしまった場合の治療法などを、千葉西総合病院・心臓病/大動脈センター・心臓血管外科医長の片山郁雄医師に紹介していただいた。

血管にコブができる大動脈瘤を知る

大動脈を知ろう

まず、大動脈について説明します。心臓からながれ出し、身体中に血流をおくり出す大元となるふとい血管のことを大動脈といいます。そのなかでも、心臓のつけ根から頭側にむかっている部分を「上行(じょうこう)大動脈」、ぐるっとカーブして弓なりにまがっている部分を「弓部(きゅうぶ)大動脈」、下にむかってお腹のほうまで降りてくる部分を「下行(かこう)大動脈」といい、この心臓から横隔膜までの大動脈をまとめて「胸部大動脈」といいます。また、横隔膜から腹部の部分を「腹部大動脈」とよびます。

動脈瘤の種類を知ろう

動脈硬化などにより血管がよわくなると、これらの大動脈の血管の壁がボコッっと瘤(コブ)のようにふとくなった箇所ができてきます。これを動脈の瘤(コブ)とかいて動脈瘤(どうみゃくりゅう)といいます。このコブのできる場所によって、それぞれ「上行大動脈瘤」、「弓部大動脈瘤」、「下行大動脈瘤」、「腹部大動脈瘤」などと呼ばれます(脳動脈瘤は脳外科が専門となります)。

この血管のコブはある程度大きくならないと大動脈瘤とはよばれません。もともとの血管のふとさは女性と男性でも違いますし、小柄か大柄かでもちがいますが、目安は正常な血管の直径の約2倍以上となると動脈瘤と判断致します。

コブが飛び出ているようなタイプを、「嚢状瘤(のうじょうりゅう)」といいます。比較的せまい範囲にかなり圧力がかかりやすく破裂しやすいのが特徴です。だからこの形状の大静脈瘤の場合は、緊急に準じて手術を考慮します。
もうひとつのタイプは、全体的になだらかに膨らんでいる「紡錘状瘤(ぼうすいじょうりゅう)」です。これも当然破裂する可能性がありますが、嚢状瘤と比較すると破裂の可能性は低いです。

血管のふとさは、一般的に胸部が約3センチ、腹部が2センチくらいですから、それぞれ2倍の大きさになっているのがわかったら、すぐになんらかの治療を考えなければいけません。

大動脈瘤のタイプ

大動脈がコブ状に膨らむ真性大動脈瘤と、破れた血管からの出血が周囲の組織により、あたかも動脈瘤のように見える仮性大動脈瘤、そして急性大動脈解離に伴い発生する解離性大動脈瘤があります。解離性大動脈瘤は瘤壁が解離を起こしているため、通常より早めに手術を考慮します。

この医療情報の提供医師
片山 郁雄
片山 郁雄 医師

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病院情報

「解離性大動脈瘤」の
“手術あり”患者が多い病院
医療法人社団木下会 千葉西総合病院
(千葉県)
29人
自治医科大学附属大宮医療センター
(埼玉県)
24人
大阪大学医学部附属病院
(大阪府)
23人
松原徳洲会病院
(大阪府)
23人
国立循環器病センター
(大阪府)
22人
期間 2007.7-12 厚労省調べ